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池谷裕二のありがたき名言


 2023年11月28日   人物別名言&格言集 
入力するだけではダメ。テストの点が高いのは参考書を何度も読む人より、問題集を何度も解く人のほうで、出力を磨くほうが脳は成長します。仕入れた情報を人に話して、出力を心がけるのが大切です。

眠っているときは直前にやっていたことが最も再現されやすいので、僕は寝る前にもう一仕事するようにしています。眠っている間に脳が勝手に動いてくれることを期待しているんですよ。

就寝前は、脳に睡眠中の課題を与える時間帯です。眠る直前まで仕事の資料や本などに目を通して、無意識の脳に仕事をさせるための情報を入力するとよいでしょう。

眠る前に次の日の仕事をリストアップしておくことで、寝ている間に情報が整理、固定されると考えていいでしょう。浅い眠りのときに、脳が無意識のうちに情報として保存するのだと思います。

仕事や勉強で期待通りの成果が出ないと、努力を続けることが虚しくなるものです。しかし、そこで諦めてしまうと成長も止まります。思うような成果が上がらない人は、まず勉強法を見直すことから始めてみましょう。

私たちはなぜこんなに大きな脳を持っているのか。それは、経験や学習によって自分を変えていくためです。遺伝で決まっていることだけで生きていくならカエルやハエと変わりません。遺伝で決まっているデフォルトからどれだけ乖離できるか、どれだけ羽ばたくことができるか。そのために脳があるのです。

知識や経験を身につけるときに「いつでも通用するわけではない」という保留を付けること、必要なときにほんの少しだけ常識を外れることが大事だと思います。

人間は「エラー&コレクト」、すなわち自分のクセや欠点に気付き、修正しながら成長することで社会に適応してゆきます。

自分はストレスに弱いと感じている人は、普段から「なるべくストレスになることは避けよう」という心がけているため、無意識のうちに自己ケアができていることが多いものです。そのため、過剰なストレスを感じる前に対処ができます。

毎日を悲観的に過ごせというつもりはありませんが、このくらい悪いことが起きるかもしれないと、頭の中でシミュレーションをしておくと、実際に不測の事態が起こった際に感じるストレスを軽減できます。これは準備された心、「プリぺアド・マインド」といいますが、このような予測を心のどこかに持っておくことは必要でしょう。

自分の適性がわからないという人もいるかもしれませんが、今まで生きているのですから、「けっこう逆境に強いな」とか「本番に弱いタイプだな」といったことは、なんとなくわかるはずです。周りの人に聞いてもいいでしょう。

強く念じれば、その通りに体が動くことをイデオモーターと呼んでいます。これは無意識の作用。夢や目標を手帳に書き出し、机の前に貼って眺めると、脳が自然と準備を始める。そういうことも十分考えられるのではないでしょうか。

笑顔になると楽しくなるというのは、脳科学的にも正しい。最新の研究では、笑顔でなくても、楽しいことを考えるだけでも、体の免疫力が上がるということがわかっています。

閃くためには、知識を入力することは必須だとしても、そのあとは覚えたことをしばらく寝かせた方がいい。覚えた直後の記憶は鮮明すぎます。時間がたつにつれ記憶の内容がだんだん曖昧になっていきます。そうすると、他の記憶とブレンドしやすくなる。

人と会うことで揺らぎが生まれ、脳が刺激される。そもそも人間は社会性の強い動物です。初対面の会話では、声や表情などいろんな情報が入るため、脳がより刺激されるのではないでしょうか。

人は個性によって縛られた思考しかできません。他の人とのコンビネーションがあると、発想にダイナミックスが生まれるのです。

いまの状況はずっと続くのではなく、いずれ終わると考えておくと、いざ変化が訪れたときに、固執することがなくなります。

いいアイデアが思いつくのは、パソコンの画面をにらんでいる時ではありません。仕事の合間に、ちょっと席を立ったり、トイレに行った瞬間、フッとひらめくことが多い。歩く、場所を変える、ということが重要でそういうときには、脳の海馬周辺からシータ波という脳波が出ると考えられます。シータ波が強くなるのは、外部の情報を収集しようという意識的検索モードのときなんです。

自分のいる研究室で、いつものみんなに会うことは刺激にはなりません。研究室のメンバーというのは、同じような考え方で同じ話をしますので。大切なのは、研究室の外にいる人に会うことです。

人間は脳から変わらない。体からしか変えられないと私は考えます。脳は体に引っ張られる形で活性化される。作業興奮のメカニズムはまさにそれです。

やりはじめないと、やる気は出ません。

「やる気」「モチベーション」という言葉自体が、実は幻想なのです。モチベーションというものが存在するから行動できる、という考え方は間違い。正解は逆で、行動するからモチベーションが発生するのです。

一般に、豊富な知識や経験があると、それが「殻」をつくってしまって発想の邪魔をします。

ストレスとは「主観的な負荷」を指す言葉で、人にストレスを与える環境的な刺激はストレッサと呼びます。外的な要因であるストレッサに対して個人が感じる重圧がストレスです。したがって、同じストレッサに対しても、それにストレスを感じるかどうかは、個人によって差があるのです。

忘れていたはずの記憶も、復習を繰り返すことで定着率が上がります。昔からよく言われることですが、やはり勉強はコツコツが基本です。短期的に結果を求めず、長い目で考えることがモチベーション維持につながるはずです。

ルーティンワーク化するということは、無意識化するということ。無意識の記憶を司る線条体が関与していると考えられます。繰り返すことで体が覚える。無意識だから苦にならない。そういう状態を一般的には「集中している」と呼んでいるのです。集中しているときは時間を忘れて没頭しているでしょう?こういうときの脳は、動物的なシンプルな使い方をしていて、大脳皮質に前頭葉が麻痺している状態だと考えられます。時間感覚だけでなく、おそらく、喜怒哀楽や損得勘定も消えているのではないでしょうか。

子供のころ、毎朝、歯を磨くことを面倒に感じたことがある人は多いと思います。しかし、大人になって歯磨きを嫌がる人はほとんどいません。むしろ、磨かないと気持ち悪いという人の方が多いはずです。これは、歯磨きという行為がルーティンワーク化されたからです。

朝出社して、今日はどの作業から取りかかろうかと考えているようでは、仕事は思うようにはかどりません。大切なのは、意識に立ちあがらないレベルまで習慣化してしまうことです。たとえば「まずメールチェックをして、次は予定表を書く」というように、やる作業を固定して毎日繰り返せば、いずれ苦も無くこなせるようになります。

脳のワーキングメモリーは7つくらいなので、やるべきことが8つ以上あると、脳が全部を覚えられずに、「ものすごく忙しい」と勘違いをはじめるのではないでしょうか。でもよく考えると、8つ程度なら大したことはない。書き出すことで、それがわかって安心します。また、情報も整理され、気分が楽になるのだと思います。

ルーティン化は、慌ただしい朝を過ごす人ほど効果的です。脳には「ワーキングメモリ」という短期的な記憶を処理するメモリがあります。ワーキングメモリは意外に容量が少なく、一度に意識できることは7つ程度が限界だといわれています。一方、無意識の記憶に制限はなく、無意識の領域に仕事をさせれば、より多くのことが同時並行で処理できます。この性質を利用しないのはもったいない。毎日やるようなこまごまとした仕事は、ルーティン化することで脳の無意識に任せてしまいましょう。

「お金やモノのために頑張るのは不純」といった道徳観を鵜呑みにするのは禁物です。動機が何であれ、脳で起こる作用は同じです。実際、仕事の社会的意義などに現実感が持てないことは多々あるでしょう。そんなときに「給料日」や「ケーキ」でやる気が出るなら、大いに良いことではないでしょうか。

ご褒美というと、多くの人は好きなものを買ったり、おいしい食事をするなど、具体的なメリットが生まれることを想定するでしょう。しかし、それだけでなく、いったんマイナスに下がった状態を平常に回復するのも立派なご褒美になります。嫌な仕事をしなくてはならないときは、その嫌な仕事から解放される自分を強くイメージして、自分の背中を押してあげるのもひとつの方法だと思います。

もの覚えが悪くなったことを、脳の衰えのせいにするのは間違いです。年齢とともに新しいことを記憶しづらくなっているのは、たんに年不相応な記憶のやり方をしていることが原因でしょう。中学生ぐらいまでは知識記憶が優勢で、丸暗記をしてもどんどん頭に入ります。しかし、それ以上の年齢になると、経験記憶が上回り、丸暗記が難しくなります。にもかかわらず若いころと同じ記憶のやり方をしているから、新しいことが覚えられないのです。

すぐに学習の成果が出ないからといって、次のステップに進むのも厳禁です。記憶の半分は、覚えてから4時間以内に消えてしまいます。そこに追加して新しいことを覚えようとすると、記憶の干渉という現象が起こり、前の記憶はさらに忘れやすくなり、新しいことも記憶しづらくなります。焦って次に進むより、まずは復習です。

大人に適しているのは、自分の体験を情報と関連付けて覚える経験記憶です。最も簡単なのは人に話すことでしょう。単独では覚えにくい知識も、あのときあの人にこう説明したという経験と結びつければ、比較的容易に覚えられると思います。

多くの学生を指導していて感じるのは、最初からプレゼンが上手い人というのは、相手の立場に立てる人である、ということです。