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大前研一のぶっ飛びまくった名言集


 2023年12月27日   人物別名言&格言集 
私は政治家には向いていません。なぜなら政治家は有権者に「なるほど、この人だったら安心して任せられる」と思ってもらうことが大事で、私はどちらかというと「こういうふうにすべきだ」とプランを練るのが得意な政策立案者なのです。だからこそ、有権者との間にクッションが要る。自分は政治家には適任ではないと気づいて、さっさと足を洗いました。

私がいまも活動的であり続けるのは、余命がモチベーションになっているから。30代の頃、松下幸之助さんと同じだけ生きたとすると、あと何回夕飯が食べられるのかと計算したら、1万8000食という答えが出た。1万8000食は有限だと思い知ったその時から、いいかげんに夕飯を食べないようになった。次の夕食は誰と食べるか、どこで食べるかを計画的に考えるようになった。

チームの無駄な時間を省くには、その仕事のリーダーが、あらかじめ全員にでき上がりの具体的なイメージを伝えておくことだ。そうすれば、まるで的外れのものがあがってきて、また一からやり直しといった無駄は避けられる。逆に、何のイメージもないまま「とにかく考えてこい」というような指示では、スタッフは暗中模索で何案も考えなければならない。しかも、膨大な作業をしたにも関わらず、そのほとんどが無駄になるのだから、これじゃ全体のスピードも上がらないし、スタッフのテンションだって落ちてしまう。

私は、これからしたいことがたくさんある。だから、週末ごろ寝なんてしたことがない。

モチベーションは、あと何回それができるかに左右される。あとわずかしか機会がないことに気づくと、取り組み方が濃密になる。

「人が気づかないことになぜ気づくのか」と問われても答えようもないのだが、ひとつの理由らしきものを挙げるとすれば、私には極めて疑り深い点があるということだ。知っているとか覚えている、ということはなく、「すべてゼロから考えたらいいさ」と開き直って、自分なりの問題定義と問題解決をその都度やっているのである。だから、人の話を鵜呑みにしない。他人の言うことを、そのまま正しいとは思わない癖をつける。そして「おかしい」と特別に違和感を覚えたら、徹底的にその瞬間に考え、調べ上げるのだ。

「大前さんはどうしてそんな新しいアイデアが出てくるんですか」とよく聞かれるが、自分では「新しいものを生み出している」という意識はほとんどない。私の場合、何か閃いて新しい発想を得るわけではない。自分目身に質問を投げかけて、それを解くための具体的なフレームワークを作り、それに沿って端的かつしつこく、頭の中で問題解決法を構成して出てくるものにすぎない。問題解決のための論理的思考を血肉になるまでとことん鍛練した結果、どんな物事や現象を見ても、すぐに解決方法が見つかるようになった。これは後天的なものである。

経営トップは常にアンテナを高くして、自分の会社、業界がどれだけの危機にさらされているのかを自覚して、正しい経営判断につなげていくしかない。

私のコンサルティングの基本は「自分が社長だったらどうするか」である。現場に足しげく通って綿密なフィールドインタビューを繰り返し、経営トップが知りえないような情報をかき集めて、問題点の背景にある原因のさらにまたその原因や課題を炎り出していく。そして自分が経営トップならどう対処するかを客観的に判断して、具体的でわかりやすい提言をひとつにまとめていく。そうやって経営者にアドバイスすれば、私も経営者もお互い悔いが残らない。結果として、そのアドバイスが間違っていたとしても、「あなたは本当に私のために、私に代わっていろいろ考えてくれた。私もそれに基づいて決断した」と相手側も納得してくれるからだ。

コンサルタントも商売だから、嫌われたり、失敗して切られるのは怖い。だから、クライアントの好みを先に聞き出して、それに合わせるような戦略を提言したり、答えがわかっている領域を「問題」として取り上げて、簡単な分析で無難な戦略を提言する輩が少なくない。しかし、そんなものが「参謀の仕事」であるはずがない。自分のインタレスト、自社のインタレストは捨てて、「この人を輝かせるためにどうしたらいいか」だけを考える。

努力する方向が根本的に違う。私がトヨタや日産自動車のトップなら、持てる政治力のすべてを使って、課税を含めた車のランニングコストを安くする。一方で中古車買い取り価格を高くして、少なくともアメリカやオーストラリア並みにする。維持費がリーズナブルになって中古車がまともに査定されるようになれば、車を持つペナルティも減り、楽しさも復活するだろう。また、そうでなければ日本の産業を支えてきた自動車業界は衰退期に向かって転がり落ちるだけである。

私はどうやって情報を仕入れているのか。もっぱらサイバースペースから取ってくる。ネット上の記事はすべて均一の大きさで並んでいる。つまり私にとってのトップ記事を自分で決めるのだ。しかも絶対に受け身で情報をとらない。こちらから引っ張ってくる感じだ。「世界経済」「日本経済」「地方自治体の動向」「重要な国の地政学的な変化」など、自分が興味のあるカテゴリー別にRSSを活用して、幅広い情報源から自動的に情報を収集している。

日本人は情報の収集や活用が、決して下手な民族ではない。下手なのはいまの時代の日本人であって、情報に飢えていた頃の日本人は、それこそ世界でも有数の情報収集力と吸収力を発揮してきた。たとえば戦後、アメリカの技術や工業力とのギャップを思い知らされた日本は、学ぶべき相手をアメリカ一本に絞り、情報収集のための対米ミッションに力を注いだ。

情報が本当に自分の血となり肉となるためには、その情報を自分で加工しなければならない。情報というのは、加工しないことには何の価値も生まない。手に入れた一次情報の意味を考え、ときに疑い、ストックした情報と照らし合わせて、栄養のある情報だけを吸収して自分の中に取りこみ、あとは捨てる。というプロセスが必要なのだ。

他人の見方を覚えるのではなく、自分の頭に思考の脈絡を持って取り入れることだ。そのとき、そのときに自分の考えを加えて、棚の情報を整理する。そうすることで、ものごとに対する見方がどんどん変わってくるし、広がっていく。情報の感度も絶対に高まる。さらに、情報は使うこと。アウトプットすることでその情報は批判され、咀嚼され、さらに磨かれていく。

ユダヤ人は大勢で何かを決めるとき、誰かがあることを主張したら、別の誰かが悪魔の使徒になったかのごとく、「なぜぞうなのか?」「こっちの方がいいのではないか?」と反論する。悪意ではなく、その主張が正しいかどうかを議論を戦わせることで検証するのが目的だ。それで最終的にこれが正しいという結論が出たら、今度はそれまで反対していた人も含めて、全員がそれを支持する。

仕事が遅い奴で一番目につくのは、やっぱり段取りが悪いところ。やみくもに頑張るだけじゃ、仕事のスピードは上がらない。この仕事はいつまでに終わらせなければならない、だが、こことここにはすでに予定が入っているから、作業時間はここしか取れない。そうしたら、この日までに資料を集めてもらうよう、いますぐメールで依頼する。こういう具合に、綿密なスケジュールを立ててから事に臨めば、いくつ仕事が重なったところで、じたばたすることはないはずだ。

自分だけ仕事が速くなっても、それじゃまだ、本当の意味で仕事が速くなったことにはならない。なぜなら、仕事の本質は共同作業だからだ。たとえば、企画書をつくるときだって、他部署から資料をもらったり、内容を上司に確認してもらったり、必ず複数の人間が関わっているだろ。途中で肝心の資料が出てこないとか、上司が出張中でハンコがもらえないとかいうことになれば、いくら自分だけ速く仕事をやっても、結局スピードは落ちてしまうじゃないか。だから、自分の仕事の段取りだけじゃなく、ほかの人にどうやって仕事を頼むか、その段取りも考えないと、仕事のスピードは上がらないのだ。